TPP協定で食の安全・安心はどうなる
ーその体系的整理の試みー
滋賀県立大学名誉教授
【 目 次 】
Ⅰ どうなっている食の安全性を確保する法制度
1.TPP協定の食の安全性についての基本理念
2.どうなっている国際的な取り決め
1)コーデックス委員会とは何か
2)コーデックス委員会の目的(コーデックス憲章の第1条)
3.わが国のおける食品安全性確保のための措置
4.わが国における食品表示についての取り決め(遺伝子組み換え食料を中心に)
Ⅱ 分野別にみた食の安全性の点検
1.成長ホルモン剤(エストラジオール、エストラゲン、ゼラノール)ならびに
多くの抗生物質の多用→発がん性リスク
2.食品添加物
3.防カビ剤(OPP、TBZ)→ 米国産(カリフォルニア)オレンジ
1)柑橘類の場合
2)汚染米の場合(天然発がん性物質)
3)飼料用トウモロコシに発生するカビ(アフラトキシン)
4.大腸菌付着の冷凍食品→ 米国産冷凍食品
5.BSE(牛海綿状脳症)の規制緩和はどのように進められたか
(ならびに動物感染症の拡大)
1)わが国におけるBSE(牛海綿状脳症)の規制緩和
2)米韓FTAによって韓国の米産牛肉の輸入はどうなったか
3)動物感染症の拡大
6.遺伝子組み換え食料……………03
1)遺伝子組み換え食料の生産
2)わが国における遺伝子組み換え食品の消費
3)食のコミュニケーション円卓会議」による遺伝子組み換え3作物の輸入合計
数量の推定
4)GM小麦、GMコーン
5)養殖サーモン(ダイオキシン、PCB)、GMサケ→ 米国産鮭
6)ビール4社、糖類を分別せず使用に踏み切る
7)全農株式会社化の深層
8)GM表示義務なしの食品ないしは食材
9)GM食料まとめ
Ⅲ TPP協定暫定協定文に沿っての対照分析
1.直接的関係についての対照分析
1)第2章「内国民待遇及び物品の市場アクセス章」
2)第5章「税関及び貿易円滑化章」
3)第7章「衛生植物検疫(SPS)措置章」
4)第8章「貿易の技術的障害(TBT)章」
2.間接的関係についての対照分析
1)第3章「原産地規則及び原産地手続章」
2)その他、第9章「投資章」、第15章「政府調達章」、第17章「国有企業及び
指定独占企業章」等々
1)防かび剤、食品添加物並びにBSEにかかわる規制緩和の疑念深まる
2)添加物としての表示義務の排除
4.米側の主張は「日本の食品安全基準も非関税障壁」
文献
資料1~3