地域に根ざした食・農の再生フォーラム設立趣意書

2006.4.23

■現状認識と時代観

 21世紀に入って、O−157やBSE、偽装表示問題を契機に、食の安心・安全が国民的な課題になってきました。
地球上の人口のわずか2%の国民が、世界の食べ物の貿易量の2割弱を輸入している。日本は、世界最大の食料輸入国で、食料自給率は1千万以上の人口の国で最低と言われています。

地球の裏側から食料が届く日本…。
 時間とともに品質が劣化する食料にとって、生産と消費の「距離」が安全の最大の問題です。
 そして、少数の商社と多国籍企業が地球上の食料貿易を握っていることが次の問題です。
60年代以降、外国からの食料、特にアメリカからの食料が食生活を根本的に変えていきました。食生活の構造は「日本型食生活」から「アメリカ型食生活」に変わりました。家族と一緒に、一日三食とる食文化が崩れ、「食の簡便化と効率化」がすすんできています。
 アメリカではもう10年前からO−157のことは「ハンバーガー病」と呼び、今度のBSEも「ハンバーガーが媒体の危険性が高い」と言われています。
 また、高脂肪、高カロリー、塩分過多の「簡便食」は、「生活習慣病」の原因となっています。
 国民の「簡便で、効率的な食」というニーズに拍車をかけ、日本の食生活の変質のきっかけをつくってきたのが多国籍企業でした。
 胃袋を全部外国に依存する状況の一方で、日本の農林漁業は非常に深刻です。全国で2千の集落がここ数年で壊滅します。漁業はピーク時の生産高の2分の1まで落ち込んでいます。
 「日本の食生活と食料問題がどうして異常なのか」。それは食べ物が多国籍企業によって支配された結果です。広がってしまった食べ物と農業との距離をどう縮めるかが21世紀の課題となっています。

■目的

価値観、ライフスタイルを転換しながら、「地域に根ざした食と農の再生」の仕組みや条件を、地域の食に関わるものの力でつくっていく。

■課題

1.「地域に根ざした食生活と食文化の再生」

地域に根ざした食生活、食文化をもう一回掘り起こして、21世紀に伝えていく。

2.「地域に根ざした農林漁業の再生と地域食料確保」

改めて安全、安定、高品質、適正価格の食を地域につくりあげる。

3.「地域に根ざした情報発信と多様な流通システムづくり」

産直、直売、市場一元主義ではなく、多元的、多様なシステムをつくる。

4.「経済主権・食糧主権にもとづく国際ルールづくり」

多様な地域にある多様な食文化を尊重し、共生させる国際的なルールをつくる。

■活動内容

○情報交流の場づくり

1.研究会やシンポジウム、手づくりの郷土料理のパーティなど情報発信の場。
2.生産者・流通関係者・消費者・食や農に関係する研究者、医者、栄養士含めた、食に関心がある方の情報交流の場。

○地域に根ざした、顔の見えるIT食農市場づくり

有機農業者や、地域加工食品グループ、流通業者、消費者、飲食店、学校給食などの商品市場。

○食農相談とコンサル、コーディネートの場づくり

専門家集団による食の相談。
新しい食や農の再生運動のコンサルタント。
食と農の再生事業の運動やシステムのコーディネート。


体制
理事長小池 恒男(滋賀県立大学教授)
副理事長渡邉 信夫(渡辺地域経営研究所代表)
理事上原 実(農民組合京都府連合会書記長)
理事高島 典子(生活協同組合コープしが副理事長)
理事友藤 弘子(京都大学生活協同組合・管理栄養士)
理事堀越 昌子(滋賀大学教授)
理事毛利 多美朗(有限会社ビバ・ボックス)
監事濱部 泰文(光正企業組合)
監事松原 豊彦(立命館大学教授)
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