〇 種子法が廃止になって どうなるの?

 「都道府県や農業試験場で培ってきた独自の生産の知識を民間会社へ進んで提供しなさい」ということになります。つまり、培ってきたブランドのすべてをオープンにして誰でも作れるようにする、それは言い換えれば、値段が上がり、海外企業がどんどん日本の技術を得て巨大資金を投入して種を独占してしまうことが考えられます。


*小池先生の「もっと 掘り下げてみよう!」*

◆種子法が廃止されるとどうなる?
 米、麦、大豆の種子が民間に開放されるとどうなる
1.安く、安定して入手してきた優良品種の種子が4〜8倍の価格で購入しなければならなくなる。
  三井化学のみつひかり、住友化学のつくばSD、日本モンサントとねのめぐみは、公共品種の4〜10倍の価格で
  販売されている
2.民間の品種みつひかり等はF1品種なので、自家採取できずに毎年新たに購入しなければならなくなる
3.農家は民間会社と直接契約して、肥料・農薬などの資材はすべて購入が義務付けられ、収穫した米も他に出荷する
  ことができなくなる
4.野菜の種子が国産100%から現在の90%が海外生産されるようになったように、現在100%国産されている米、
  麦、大豆の種子の自給が危うくなり、延いては食料安全保障の危機につながりかねないことになる

◆いずれやめていただきます
2017年11月15日の農林水産事務次官の「稲、麦及び大豆の種子について(通知)」
(通達ではなくて「通知」) 単なる技術的アドバイス
3.種子法廃止後の都道府県の役割
(1)都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県がこれまで実施してきた稲、麦類、及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない。(中略)
つまり、「いずれやめていただきます。民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担っていただきます」ということである。


〇 企業が開発するとなると・・・

 企業ですから利益追求が第一。儲からなければ作る意味がない。たとえば「みつひかり」等はF1品種なので、自家採取できずに毎年新たに購入しなければならないのです。


〇 F1って なに?

 ふつう植物は、芽が出て花を咲かせ、種をつけます。農家は自分が育てた作物の種をとり、それを蒔いてまた2代目を作る。そうやって自分で栽培し自分で種を取る「自家採種」をしてきました。だいたい3代目までは良いものができるので、3回は自分の種で作物を作り、4回目はまた買う、というのが普通です。
 「F1」というのは、そもそもは初めて種を蒔いてできた1代目のものを言います。
 「F1品種」と言われるもので、購入した種を蒔いて収穫したものから種を蒔いても芽が出ないように作られた種です。2回目はない。つまり「自家採種しても芽は出ないよ。毎年新しい種を買ってね」というのがF1品種なのです。
 開発企業は毎年種を売ることができるシステムです。


〇 つまり 種子法が廃止になると・・・・

 民間企業・海外企業が米・麦・大豆の種子産業に参入すると どうなるのでしょうか。
1.地域が育ててきた種子のブランドのノウハウが海外企業に流れ、海外大手企業がその資金力で最初は種を安く
  売り、市場を独占してしまう。
2.F1品種になり農家は毎年種を買わなければならない。
3.独占してしまえば、「この農薬とセットじゃないと育たない種」「この肥料とセット売り」など、企業が儲かる
  ような仕組みになってしまう。
4.種の技術を自由に得られるため、海外でも簡単に作られてしまう。現在100%国産の米の自給も危なくなる。
5.農業試験場への国からの資金(地方交付税)がなくなり、品種改良・品種開発や農業普及ができなくなる。
6.企業は利益を追求するのが原則なので、儲からない品種は作らない。質がよくても利益が出にくい品種は作らず、
  メジャーな米だけが残り、小さな地域で支持されている米などはなくなっていく。安全性よりも利益優先となる。

 結果、私たちは、好きな銘柄を食べられなくなったり、高い米を買わなければならなくなるわけです。



*小池先生の「もっと 掘り下げてみよう!」*
 
種子法廃止でどうなる
1)日本の米農家が米モンサント等へロイヤリティを支払うことになる?
 住友化学、三井化学の背後にはモンサント、デュポン、シンジェンタ等の世界の種子産業が控えている。それらが日本の貴重な種子を育種権の登録または応用特許を申請し、日本の生産者もそこにロイヤリティを支払わなければならなくなる?政府は譲渡先をモンサント等外資を除外しないと答弁しているから、いずれ米農家も日本の原種であるにもかかわらず、外資にロイヤリティを支払うことになる?
2)いずれ日本も遺伝子組み換えの米を生産するようになる?
 モンサントはすでに1999年には日本のコシヒカリの除草剤耐性、農薬のラウンドアップ(グリホサード)の遺伝子組み換え種子を開発し、茨城県の同社実験圃場で試験栽培を始めている。
 モンサントは2001年に愛知県農業試験場と共同研究をはじめ、「愛知式不耕起栽培乾田直播」で「祭り晴」の除草剤遺伝子組み換えの米種子栽培に成功し、水に弱いグリホサードの難点を克服した。農研機構は、米の三大病気であるイモチ病、白葉枯病、ごま葉枯病に抵抗性をもつトウモロコシの遺伝子を組み換えて入れた複合病害抵抗性の米の品種WRKY4の開発に成功。隔離圃場で試験栽培を続けている。


〇 「種子法廃止」ヤバイんじゃないの?

 そう、日本の主食を海外に握られてしまう危険を含んだものになってしまいました。
「種を握るものは世界を握る」というように、私たちが普段気に留めてもいない「種」は、実は大きな財産なのです。
 最近、「和牛の遺伝子が中国に売られた」ニュースが問題になっていましたが、和牛だけでなく「紅ほっぺ(苺)」「シャインマスカット」など、日本が独自に開発してきたブランドが中国や韓国に奪われ、よその国のブランドとなっています。18年の年月をかけて育成した「シャインマスカット」も今や中国の「香印翡翠」という商標で東南アジアへ輸出され、日本のものが売れなくなっています。
 いわば「種」は知的財産ともいえる日本の宝物なのです。


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