新規就農をめざす方のためのQ&A

2015_10_07.jpg

2015_10_08.jpg

2015_10_09.jpg

■Q7:これから新規就農しようという人へのアドバイスは?

A:非常に大な設問です。基本的な考え方は、かなり書きましたので、今までと出来るだけ重複を避けながら、いくつかのポイントに分けて述べてみましょう。

@ 就農相談窓口
 現実には色々あるでしょうが、公的な機関としては、全国就農支援センターの他、各府県に名称は様々ですが就農相談を受け付けている 窓口があります。インターネットで探すと、「新規就農相談センター」「○○農林振興公社」等の名称が出てきます。(全国就農支援センターのホームページに各府県の相談窓口が出ています。)就農したい府県の窓口を訪ねるのが順当です。予約制になっている場合もありますので、電話などで予め相談内容を告げて予約しておかれるのがいいでしょう。因みに、滋賀県は「滋賀県農林漁業担い手育成基金」(電話077−523−5505)、京都府は「農林水産業ジョブカフェ」(電話 075−682−1800)となっています。
 簡単な相談、問い合わせ等は電話でも出来ますが、本格的な相談は窓口での面談になります。
 農業をしたい地域が固まってきた段階での相談、農地を借りる相談、営農計画づくりなど各種の具体的な支援は、内容に応じて農業改良普及センターなど府県の地域出先機関等(場合によっては市町村、農業委員会、農業協同組合)との連携が必要な場合もあります。

A 就農に必要な6つの準備・・・これがないと農業が始められません。
・技術と経営のノウハウ・・・本を読んだだけで身に付くものではありません。どこかで教えてもらって身に付ける機会が必要です。
・農地・・・農地は借りるか所有権を取得して確保します。ただ、法律では「農家でないと農地が持てない」ことになっています。耕作する権利を得るためには該当市町村の農業委員会の許可が必要です。(もう少し詳しいことは、この後の「C農地の確保等」を見て下さい)
・施設と農機具・・・ビニールハウスやトラクタ、それに農機具の保管庫なども必要です。
・自己資金・・・いくら必要かは一概には言えませんが、一般的に何百万円の単位で必要なことは前述の通りです。
・住居・・・就農したい地域の情報を収集する際、市町村役場などが「空き家情報」を発信している場合もあります。不動産業者よりも信頼できる人づてを作って、協力をお願いする。例えば信頼できる指導農家を確保し、その農家の協力が得られればベストでしょう。
・生活設計と家族の協力・・・必要な家計費、農外収入を含めた収支計画を詰めておくこと。就農について、妻の賛同が得られずついに諦めたケースもあります。当初から、家族とよく相談し、家族と夢を共有することはとても大切なことの一つです。

B 就農にいたる手順

<独立就農の場合>
ステップ1 情報・基礎知識の収集・・・ 農業を始めるための基礎知識、情報の収集。公的な相談窓口を訪問し、そこでの相談、助言が役に立つことが多い。
ステップ2 体験、現地見学、セミナー等への参加・・・ 就農相談機関に聞いたり就農希望者として登録しておくと情報が入手しやすい。また、就農相談機関のホームページを常々見ておく。
ステップ3 目指す経営ビジョンの明確化・資金の調達方法の検討
ステップ4 技術・経営ノウハウの習得・・・農家や農業法人での実地研修、農業大学校への入学、民間研修機関での研修などがあります。相談機関での相談、相談会、フェアへの参加など。
ステップ5 就農準備・・・普及センター、指導農家、JA等の支援を得て、具体的な生産・販売・資金計画を作成します。
ステップ6 独立就農 ・・・独立したと言ってもまだ駆け出し。「これからが本番の勉強の日々」と思った方がいいと思います。

★ ステップ1〜6は、模式図的に表したもので、時に順序が入れ替わったり同時進行したりすることもしばしばあります。

<法人等への就職・経営参加>
 法人等への就職では、単なる労働者ではなく「経営者の片腕」として頑張る位でないと「メシの食える賃金=一家を支える賃金」が出ないのが一般的です。法人等で力をつけてから独立を目指すケースもあります。

C 農地の確保等
 農地は農地法によって、農家でないと持てないことになっています。その際、面積の最低要件は基本的には50アール以上ですが、地域毎にそれを下回る面積を決める事が出来ることになっています。現実には旧市町村単位に一般に30〜40アールの事例が多く,中には10アールとされている市もあります。農地は必ずしも所有権を取得する必要はなく借地も含めての面積です。ただ、最低要件としての面積であって、「メシの食える営農計画」を立てるためには、一般的にはさらに多くの面積が必要です。
 農地の貸し借りや売買について許可権限を持っているのは、各市町村の農業委員会です。新たに農家になることを希望する方は、上記の農地確保の見通しを立て、その農地を活用して行う営農計画を作ります。この農地確保の見通しと営農計画が、当該農業委員会に認められてはじめて正式に農地を確保し農家になることができます。従って、農業委員会に申請するまでの事前活動として、自分が農家としてやっていける能力も決意もあり、農地その他の条件も整えられることを十分伝えておかなくてはいけません。

D 地域と農業を守る活動
 現在の農業を取り巻く環境は、決して甘くありません。現状でさえ採算ギリギリの経営が多い中で、もしTPP協定が結ばれるなら、輸入農産物による価格競争の圧力が増すに違いありません。また全国的に、有害鳥獣による被害が、集落から農家を追い出す最後のカードになりかねない状況もあります。
 一方では、「日本人の食料は日本の大地から」のスローガンのもとに、TPP協定に反対し、日本の食料と農業を守る粘り強い運動も取り組まれています。有害鳥獣対策の基本は集落ぐるみの総合対策にあり、全国的に大きな努力が払われています。非農家を含めた地域住民による、「地域を元気にする活動」も各地で取り組まれています。
 日本の農業の未来を切り開いていくためには、これらの「個別経営から一歩踏み出した活動」にも関心を持ち、支えていく心構えが大切でしょう。
新規就農者宣言 1 2 3 4 / 新規就農基礎知識 1:立志編 2:実践編 3:アドバイス編