里芋は貯蔵性が高く一年中で回っていますが、秋から冬が旬です。里芋は、子芋がたくさんできることから、子孫繁栄の食べ物とされ、お正月や節句など伝統的な行事食には欠かせないものです。
里芋の原産地は熱帯アジアで、縄文時代には栽培されており稲作よりも古いのです。里芋の名のいわれは、山で自生する「山芋」に対し、里で栽培されているので「里芋」と名付けられたそうです。古くから栽培されているため、長い年月をかけて各地域の気象条件や栽培方法にあった品種が作られるようになりました。代表的なものに福井県の大野芋、岩手県の二子芋などがあります。現在最も多く栽培されている品種は「土垂(どたれ)」で煮崩れしにくいので煮物に向きます。8月ごろから出回る丸い小さな里芋は「石川早生」で、大阪府の石川村(現河内郡河南町)でみいだされた日本古来のものです。この他、八つ頭、セレベス、えび芋など様々な品種が栽培されています。
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低カロリーで食物」繊維が豊富
里芋は芋類の中では一番カロリーが低く、食物繊維を豊富に含んでいます。また、ビタミンBやカリウムが多いのも特徴です。中でもカリウムは芋類の中で最も多く含んでいます。ビタミンBは疲労回復、カリウムはナトリウムを排出する働きがあります。
里芋の独特のぬめりは、ガラクタンという成分です。ガラクタンは水溶性食物繊維の一種で、血糖値やコレステロール値を下げる効果が期待できます。ぬめりには健康効果があるのですが、手がかゆくなったり、味が染みにくいという欠点もあります。手がかゆくなるのは、シュウ酸の結晶が含まれているからです。シュウ酸は水分に溶け出るので、里芋を扱うときは洗って乾かしてから皮をむくと防ぐことが出来ます。ぬめりは、塩をまぶしてこすり洗い流すと取れますが、完全には取らず、少し残して調理すると、里芋独特のおいしさが味わえます。
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