基調講演
  そのことの裏打ちとして、レジュメの16ページから始まる「水田農業の課題―田んぼの未来、お米の未来―」ということで、結論的に言えば、「大体見通しが甘い」と思うのですね。そこにもありますように「人口減少」のことを、計算式に入れていないのです。しかし、2003年(平成15年)対比で、2025年(平成37年)には650万人の人口減少が起こるわけです。長期的にはもちろんいずれたくさんの子どもを生んで人口増の社会に変わっていくとは思うのですが、この10年、20年でそういうように、人口減少を増加に変えていくことはまず不可能。長期的にはそういう方向でいいと思いますけど、妊婦さんが「たらいまわし」にされてお母さんを死なせてしまったというようなこの国で、とてもたくさんの子を産むなんて気にはなれないだろうなと思うし、10年、20年で解決するとは思えないから、この「人口減少」の効果というのは動かしがたいと思うのですね。
  確かに、去年、一昨年と一人当たりの消費量が、先ほど見たように増えたのですが、それにしても、時間がないから結論だけ言いますと、現在、田んぼで6:4、6に主食用稲、4にそれ以外の作物という状態になっていますね。お米が過剰だということで。しかし、私は、最悪4割が主食用稲、6割がそれ以外のものを作らなければいけないという厳しい実態があると思うのです。今から直ちに対応しなさいという意味ではなしに、この10年、20年を見通すならば、そういう長期的な目標を立てる必要があるのではないかと申し上げたいのです。良くて5:5ぐらい。悪ければ4:6ということになる。
  その時に何を作っていくかということで言えば、私は4本柱だと思っています。
  一つは主食用米を基軸にした麦・大豆という主要食用穀物生産の振興ということ。
  それから、二つ目には飼料用稲、加工米用稲の振興。
  それから、菜種、そば(昨年の作付面積は4万7,300ヘクタール。なぜこれらの作目を水田・畑経営所得安定対策の対象作目にしないのかが疑問ですが)、加工用原料野菜等のその他の土地利用作物の生産振興ということ。産地づくり交付金では作物選択を地方に任せたのですから、水田・畑経営所得安定対策でも作物選択は地方に任せる。それぐらいの大胆な方向を出しても良いのではないかと思います。
  そして、4番目の柱に、牛、豚、鶏の放牧という畜産振興がなければならない。滋賀県だけみていると、てっきり牛だけだと思っていたのですが、2月25日の10チャンネルの「海を渡った豚」という番組を見ましたら「そうだ、豚の放牧も良いんだ」と思いました。あの鼻で荒廃農地を元の農地に復元していくという話でした。おそるべき豚の鼻で荒廃農地を解消しているという「海を渡った豚」という番組がありましたね。それから鶏はすでにやっている人がいますけれども、鶏も田んぼに放牧するという、そういうコペルニクス的発想の転換がなければならないだろうと思います。
3.田んぼとお米
−面積、生産量、水−
8.水田農業の課題
―田んぼの未来、お米の未来―
9.おわりに
−滋賀県地産地消推進協議会になにを期待するか−