基調講演
  事故米の発生は、今回は本題から外れますので省略いたします。ただ、問題の解明も解決も全然終わっていないというのが実感です。なぜなら、事故米がそこにありますように3万4,000トンに達しているんですけど、その中の56%を占めている「商社ルート」がほとんど解明されていないわけなんですね。その商社の取扱量のうち行き先がわかっているのは、わずかに4.2%です。後は依然としてなお闇の中ということで、全然問題が終わっていない。
  もう一つの理由は、汚染米の発生がなお続いているということですね。引き続き汚染米の発見が起こっているということからみると、まだ全然問題は終わっていない。
  私は「だから農政事務所の廃止」というのは全然わからないですね。「なぜ今農政事務所の廃止なのか」と思わずにはいられません。レジュメの14ページに書いてありますように、監視、監督するシステムは確かに弱いと思います。滋賀県の最前線でこの監視を、14ページの「監視体制の不備−動機づけと体制、ともに不備−」というところで書きましたように、「最前線でこの監視を担っているのは、農林水産省、各農政事務所、表示企画課の表示・規格指導官」なんですね。ただ残念なことに、この指導官の配置密度は、滋賀県で一人ということなんですよ。しかも、「この産地でこの値段だったらおかしい」という、そういう社会的な関係についてチェックするという動機づけはほとんどないわけですね。物理的なことだけをチェックしているだけですから。「この銘柄のこのお米で、なぜこのような価格で売れるのか」ということはチェックしていないのです。社会的な関係までは監視することになっていない。しかし私はそのことが非常に重要だと思っています。
  しかも、これからトレーサビリティをやるというのに、どうして農政事務所を廃止なのかというのが全然わかりません。農政事務所にしっかりしてやってもらわないといけない。先ほどみましたように、「業務・中食」が49%で、「主食用」が33%ですから、むしろ「加工・業務用・中食用」の方が問題なわけですね。コープしがから購入しました「柿の種」を食べて袋を見ましたらですね、「ピーナツは中国から来てる」と書いてあるんですけど、お米には何も書いてない。今回実施する事になるトレーサビリティでは、その原料表示までするということになっていますから、「柿の種」ももちろん米菓の中の一つですから、トレーサビリティの対象になります。「トレーサビリティ法」が今国会で成立するはずですから、関係三法が成立するはずですから、そういう意味でも私は農政事務所がむしろ今にもましてしっかり、このトレーサビリティを精査する機関としてやってもらわなければいけないのではないかと思います。
3.田んぼとお米
−面積、生産量、水−
6.事故米はなぜ発生したのか
8.水田農業の課題
―田んぼの未来、お米の未来―
9.おわりに
−滋賀県地産地消推進協議会になにを期待するか−