遺伝子組み換え食品〈2〉

遺伝子組み換え食品20年目で分かったこと
なぜゲノム編集技術なのか?


遺伝子組み換え食品の現状

 遺伝子組み換え作物の栽培は1996年に始まり、2014年までは右肩上がりで増えました。ところが2015年になって少し減りました。


遺伝子組み換え作物の栽培面積推移(出典・ISAAA)
1996年 170万ha2003年 6770万ha 2010年 1億4800万ha
1997年 1110万ha2004年 8100万ha 2011年 1憶6000万ha
1998年 2780万ha2005年 9000万ha 2012年 1億7030万ha
1999年 3900万ha2006年 1億0200万ha 2013年 1億7520万ha
2000年 4300万ha2007年 1億1430万ha 2014年 1億8150万ha
2001年 5260万ha2008年 1億2500万ha 2015年 1億7970万ha
2002年 5870万ha2009年 1億3400万ha
(参考・日本の国土の広さは3780万ha、世界の農地は約15〜16億ha)

2015年2014年
米国 7090万ha7310万ha
ブラジル 4420万ha4220万ha
アルゼンチン 2450万ha2430万ha
インド 1160万ha1160万ha
カナダ 1100万ha1160万ha
1億7970万ha1億8150万ha
三大栽培国の計 1億3960万ha

 なぜ、栽培面積が下がったのか。遺伝子組み換え作物はアメリカ中心の作物です。だけど、アメリカで減少している。今お話しましたお母さんたちの取り組みをはじめ、アメリカ中で遺伝子組み換え作物の反対運動が広がっている。これが大きな力になっています。
 アメリカでは一定の署名を集めること、憲法に違反しないこと、この二つの条件があれば各州政府で、市民が法律を提案できます。それで遺伝子組み換え食品の表示をする運動が広がり、あちこちの州で法案が提出されました。一方、モンサント等の大企業は多額のお金を出して法案に反対するキャンペーンをはり、投票最終盤には30分に一回CMをうちました。「遺伝子組み換え食品の表示をすると、食品価格が上がります」これだけですよ。結局、最後はひっくり返されて、カリフォルニア州をはじめ、ワシントン州、オレゴン州などで、本当にわずかな差でひっくり返され成立しませんでした。
 でもバーモント州では、州議会が法律を可決し、罰則もすごく厳しい州法を施行しました。そうしますと、バーモント州だけで流通している食品メーカーなんかないわけですから、いろいろなメーカーが、遺伝子組み換え原料を遺伝子組み換えでない原料に切り替え始めました。有名なのはチョコレートのハーシーや、ネスレ、キャンベルスープなどで、相次いで遺伝子組み換えでない原料に切り替えていったことで、栽培面積が減ったわけです。
 だけど、モンサントがそれで黙っているわけがない。連邦議会に働きかけて、新しい遺伝子組み換え食品表示法をつくらせたのです。多国籍企業が作らせた「表示法」ですから、ほとんど表示されないようなひどい法律です。それを作らせ、それと引き換えに「各州での表示を無効にする」という項目を入れたのです。その結果、バーモント州の法律が無効になってしまった。
 ひどいですよね。多国籍企業は金に任せてアメリカの議会も簡単に動かしてしまう。


4種類の作物、食品は食用油と油製品が中心

 大豆、トウモロコシ、綿、ナタネ、この4作物が既に日本で流通しています。
 2013年、大豆の全世界の作付面積の8割、8,450万haが遺伝子組み換えです。

2013年の全体の作付面積 遺伝子組み換え品種の作付面積(出典ISAAA)
大豆 10,700万ha8,450万ha(79%)
トウモロコシ 17,900万ha5,740万ha(32%)
綿 3,400万ha2,390万ha(70%)
ナタネ 3,400万ha820万ha(24%)
3億5,400万ha1億7,400万ha

 この4種類の作物が、どのような食品になっているかと言いますと、ナタネ、大豆、トウモロコシ、綿、全部一番多いのは油です。輸入される形がみんな種なのですが、種として使うわけではなく、食品や飼料として使うわけです。ナタネは油分が多いから絞って食用油にし、マヨネーズとかマーガリンと言った油製品にもします。大豆の場合は醤油、トウモロコシはコーンスターチ。綿の場合は、食用油としては綿実油になっているのですが、綿実油を使って素麺が作られています。
 ただし、ナタネの場合、絞り滓の大半が肥料です。大豆は絞り滓が飼料になっています。トウモロコシは大半が飼料として輸入しています。綿も絞り滓を飼料にしています。結構家畜の飼料が多いです。ですから一番多く食べているのは家畜だと思います。

 どのような食品になっているのか?

ナタネ食用油、油製品など(油の絞り滓は肥料)
ダイズ食用油、油製品、醤油など(油の絞り滓は飼料)
トウモロコシ 食用油、油製品、コーンスターチなど(大半は飼料として輸入)
ワタ 食用油、油製品、素麺など(油の絞り滓は飼料)

以上4作品のみ国内流通

 その他に厚労省が食品として流通を認めているのが、パパイヤ、アルファルファ、テンサイ、ジャガイモの4種類です。しかし、これらは日本では流通しておりません。


パパイヤ生食(ハワイ産・レインボウ―、2011年12月から解禁、現在は流通せず)
アルファルファ生食用もやし(主に飼料、米国では30%に)
テンサイ 砂糖(主に飼料、米国では95%に)
ジャガイモ 殺虫性ジャガイモは現在栽培されていないが、2016年新たに承認され作付開始(発癌物質アクリルアミド低減)

前のページへ
次のページへ
page 2/5