ドキュメント
植物のセシウム吸収能力

 福島第一原発事故から2年目の秋を迎えました。昨年と比較して、農作物にはいくつかの傾向や、私たちが取り組んでいく方向性などを感じさせるデータも報告されてきています。ここではいま私たちが取り組んでいる調査の一つについて触れておきたいと思います。
 植物によって放射性セシウムの吸引量が異なることは知られています。汚染土壌の回復をめざし、この植物がもつセシウム吸引能力に期待が寄せられています。しかし、かねてより吸引量が多いと言われていたヒマワリも、農水省による調査では約0.05%程度と報告されるなど、植物が実際の畑地でどのような能力を発揮するのかは、まだデータが不足している状況にあるようです。
 私たちの施設では、池袋にある大桃豆腐さんと共同で、大豆について調査を進めてきました。大豆は畑のお肉という別名があるように、栄養素としてタンパク質に目がいきがちですが、もう一つ優秀な栄養素としてカリウムがあげられます。国産大豆(ゆで)では、100gあたり570mgのカリウムを含んでいます。(第5訂日本食品標準成分表による)ほうれん草(ゆで)が490mgですから、その豊富さは結構なものでしょう。
 しかし、このカリウム好きが裏目に出てしまうようです。実はセシウムとカリウムは同族元素で科学的特徴が似ています。大豆は畑からカリウムをたくさん吸収して生長しますが、このときそっくりなセシウムも一緒に吸収してしまう可能性が指摘されています。
「放射性セシウムのせいで大豆食品を無くしてはいけない」と考えた大桃豆腐さんとともに汚染土壌で大豆の栽培調査に取り組みました。その結果、土壌中の3〜5%程度の放射性セシウムが、大豆に移行する傾向があることがわかりました。
 さらに比較としてニンジンについても試験をしました。するとニンジンでは、同等の汚染レベルの土壌でも、放射性セシウムが検出されないことがわかりました。(検出限界0.4Bq/kg程度)これは大豆栽培に抵抗感が残る地域であっても、作物を切り替えることで、その地域を耕作地として利用することができる可能性を示すものです。
 豆腐用の大豆作付けは我慢しなければいけなくても、かき揚げの野菜なら生産をして貰える。そうした生産者の心を折らない方向性も少しずつ見えてきていると言えるでしょう。
5.2012年12月5日
  (原発事故から1年9か月後)
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