「狭い文化圏・流通圏」が食の基本

 結局食は狭い文化圏が基本だということです。それが今や地球を駆け巡って食品が移送されている。広域流通というのは、「珍しい外国の果物も食べられるし良いやないか」「適地適産で、生産費が高くつくようなところで生産しなくても良いじゃないか」ということですね。日本の場合、前農業基本法でグローバル化して、日本の農業をガタガタにしながら広域流通をやってきたわけです。その結果、輸送するのにものすごくエネルギーを食う、時間も食う。時間を食うがために農薬を使う、燻蒸剤を使う、添加物を使う。結局農薬依存体質、添加物依存体質、そして高エネルギーの石油依存体質の食品になってきてしまっている。

 食品というのは工業製品とは違うのだということです。やっぱり食べ物には適地適産は限度があるのだということ。それをもう一回見直さないといけない。
 狭い流通圏が基本の食ですから、世界に流通している量は、生産量の大体1割から2割、ごく一部が世界を駆け巡るわけです。日本は自国の6割もの食料をその薄い層に依存をしているわけです。もしちょっとした気候変動でどこかの地域で生産量が落ちたら、その薄っぺらな流通量はすぐなくなって価格も暴騰してしまうわけです。日本の場合は変えるに変えられないぐらい生産基盤をつぶしてしまっている。これでは怖いですよね。そういう冒険を日本はやってきたわけですよね。それで起こるべくして食の安全の問題が起こってきているということです。
 畜産で肉とか卵の自給率は、見かけは高いですけど、他の国で生産した穀物を餌にして畜産をやっているわけです。それで肉骨粉が入ってきたって、それは当然の流れですよね。そういう危険を冒してきたということがいえるかと思います。(つづく)
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