神社に残る滋賀の湖魚文化

 でも、昔は琵琶湖の魚は川を上りましたから、川筋は奥まで湖魚文化が広がっています。山の奥の伊香郡の余呉の丹生神社とか、湖岸だけではなく、ふなずしが神社の神饌、直会に出てくるところは滋賀県中たくさんあります。ふなずしだけではなくて、ぼてじゃこ、どじょう、もろこ、はす、うぐい、雑魚(じゃこずし)、琵琶湖の魚はなんでも漬け物にします。まず全部塩漬けにして、米で魚を漬けちゃうのです。そうすると乳酸菌が繁殖してくれて、生でほっといたら一週間持たないものが、ご飯につけることで二年も三年も持つのですね。
 琵琶湖があり、淡水魚が抱負に獲れるからこそ発達した文

化なのです。だから滋賀県の神社では、五穀豊穣を願う年頭のあいさつや春祭りに、ふなやじゃこのなれずしを供える風習が多いのです。 守山の幸津川や、草津の津田江とか、いろんなところにすし切りする神社があります。栗東市には菌(くさびら)神社があるのです。菌の神社というのは、茸の神様、微生物の神様、漬け物の神社なのですね。この菌の「くさ」とか、草津の「くさ」、もともとこのへんは滋賀県でも一番菜っ葉類を生産している地域ですし、湖魚のなれずし類なんかもたくさん漬けます。そういう歴史のあるところだからこそ、こういう菌神社があるのですね。
 そのすぐ横に三輪神社があります。これも「どじょう」と「なまず」を漬けてなれずしにしちゃうのですね。ふなずしと違ってもっと癖はありますけれども、毎年神事のときに漬けられるのですね。そういう文化が滋賀県にはあって、それが神社の行事の中で残ってきている
 マキノなんかでも「はす」が出てくる。「うぐい」が出てくる。非常に面白い文化があります。(つづく)
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