食をめぐる状況はどう変わってきたか

 食をめぐる状況が今までとどう違ってきているのか。
 一つは、食べるものそのものが変わってきた。そして新たに食の安全がつきつけられてきている。自分たちの命そのものも、健康状態も破壊されかけているということ。それから、生産と消費があまりにも分離したために自分たちの食料を供給する基盤、つまり農業がつぶされている。そういうことが起こってきてしまっています。

 だからそういうことを食い止めることを模索しないといけないと思います。今まで以上に健康が、安全・安心が求められている。その中で見えてくるのは、地域の持っているもともとの文化をもう一回見直してそこに帰っていく。そういうことが大事なんじゃないかと思います。
 その中には豊かさがある。時間をかけたおいしさは何ものにも代えがたい。煮豆にしても、滋賀県ではエビ大根とか、いさざ豆、ちゃんと手間をかけたら手間かけただけの美味しさが出てくるんですね。こういうものは、確かに時間は掛るんだけど、手間は何かやりながらやれるわけですね。なれずしでも面倒くさいけど、一日半集中してやれば結構できるわけですね。あとは見といてやればいいだけですから。だから手間を惜しんでただ便利さだけ追うということは美味しさを逃すことになる。カットした野菜とか、千切りした牛蒡とかは、非常時には良いかもしれないけれど、普段はキチットした美味しさを求めていくのが本来の豊かさではないかと思います。
(おわり)
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