おばんざいとダイコン
 一年をとうしておばんざいにダイコンは欠かせない。とりわけ野菜の少ない冬は、サラダやおろしの生でも、味噌汁の具や煮物ても、漬物としても美味しく、食べて体がポカポカと温まり重宝される。わが家は、昨年暮れに永眠した母のおふくろの味が引き継がれ、毎日"渡辺式ダイコンおろし"が食卓を飾る。それに京野菜の淀大根を使った"おでん"、聖護院大根を使った"ブリ大根"などの煮物、長大根を使った"ふろふき大根"は冬のご馳走だ。とりわけ寒くなった冬は甘味がまして味がよくなる。それに切って干した"切干大根"や、縦に四つに割って干したものは"割り干し大根"、茹でて干したものは"茹で干し大根"などのダイコンの乾物は、戻して煮物や酢の物など冬季のおばんざいに欠かせない。ダイコンは1年中が旬の野菜で生産量も栽培面積も全野菜中で一番。葉は切り落とされて捨てられるがビタミンCやカロテンなど栄養価が高く、チリメンジャコ等と炒め物にしても、カブの葉同様にきざんで"炊き込みご飯"としても美味しい。また間引きした大根の苗は"間引き菜"(まびきな)と呼ばれ、おひたし、浅つけとして重宝される。葉の部分はスズシロ(清白)と呼ばれ春の七草の一つである。発芽直後の胚軸と子葉はカイワレダイコンというスプラウト食材とされてる。大根は葉に近い部分ほど辛味が弱く、先の方ほど辛味が強い。

ダイコン・大根
 ダイコンはアブラナ科の野菜で学名がRaphanus sativus、英名がdaikon radish。主として肥大した根、茎、胚軸を食用とする。原産地は地中海や中東で、古代エジ

プトから食用とされてきた。日本には弥生時代に伝わり、在来種と中国ダイコンの交雑で栽培品種が成立。100以上の品種があるが代表的なものは、丸ダイコンでは京野菜の聖護院大根・淀大根に、巨大な桜島大根が代表格、長大根には宮重系の青首大根と、練馬・三浦・浅尾系の白首大根がある。この他に、細くて長い守口漬けに使う守口大根、辛味が強くソバなどの薬味に使う辛味大根、短くて太い加賀野菜の源助大根、長崎原産の紅大根など各地に多様な地大根があり、近年地域の伝統野菜として注目されてきた。

"渡辺式大根おろし"
渡邉式大根おろし  一般に大根おろしは長大根をすりおろし醤油を少し落として食べる。だがわが家のおふくろの味"渡辺式大根おろし"は醤油を使わない。青首大根をよく洗い首の部分を皮むかずにすりおろし、酢と味噌で味付ける。白味噌と赤味噌はそれぞれの好みである。それに好みでチリメンジャコやかつお節を加えると私の酒の肴にもなる。さらに焼き魚や焼肉にもソース代わりにたっぷりとかける。渡辺式大根おろしは、単にダイコンのジアスターゼによる消化増進機能のみならず、酢の血液サラサラ効果や味噌の植物性蛋白質に酵素を補給してくれる健康食である。それに酢と味噌が大根の辛味を押さえ子供も喜ぶ優れものになる。毎日の食欲を増し元気モリモリである。一年をとうして食卓に欠かせないお勧めの逸品である。


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